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2018/10/31 18:00

フクロウについて

前回のブログでは岡田豊さんの個展を紹介したので、せっかくだしフクロウのお話。



こちら、豊さんの個展のテーマです。
書いてあるように、日本(アイヌ)ではコタンコロカムイとしてフクロウは大切にされてきました。
村の守り神でもある北海道に住むシマフクロウ。
彼らも絶滅危惧種であり、世界的には「EN絶滅危惧1B類」、日本国内の環境省レッドリストでは「CR絶滅危惧1A類」に分類されています。


https://www.arkive.org/blakistons-fish-owl/ketupa-blakistoni/image-G121178.html?scrapbookfeedback=added

シマフクロウの現状

全長およそ70cmある大型のフクロウで、なんと翼を広げると2m近くになる個体もいるとか!
魚、両生類、小動物、鳥。いろんな動物を狩って食べるので、生態系が豊な環境がとても重要なのです。

生息数はおよそ160羽…。
以前は北海道全域に生息していたのに、現在は知床を中心に道東で頑張っています!

知床は豊な土地なのでなんとか狩りをしてヒナを育てて暮らすことができますが、
その他地域では巣作るための大木も少なく、十分に狩りをするだけの餌や環境がありません。
日本野鳥の会 などの保護団体が巣箱の設置や給餌活動を行っていますが、毎年巣立つヒナの数はなかなか増えないそうです…!


https://www.arkive.org/blakistons-fish-owl/ketupa-blakistoni/image-G121441.html

絶滅危惧の原因

そもそもなぜ数が減ってきているのか。
第一にあるのはやはり環境破壊です。
人が住むようになった事で河川周りの改修工事やダム建設が進み、シマフクロウが必要とする豊な環境を壊してしまいました。
加えて森林伐採により、巣作るための大木も減少し、ヒナを育てる安全な環境が減ってしまいました。

電線に絡まる感電事故はシマフクロウに限らず野鳥には残念ながらよくあります。
他の動物同様に自動車・建物と追突事故も絶えません。

巣箱を設置しても観光客などに繁殖活動を邪魔されてしまうケースも珍しくはないそうです。
給餌用の生け簀を設置してもヒナにとって十分な栄養がとれず巣立てずに死んでしまう子も多いとか。
大木も少ないと休憩するスポットも減り、若鶏には過酷な生活となります。

様々な原因が積もって今シマフクロウは絶滅の危機にいるのです…!


http://www.arkive.org/blakistons-fish-owl/ketupa-blakistoni/image-G127845.html

保護団体

《日本野鳥の会》は2004年から本格的にシマフクロウの保護活動に力をいれています。
現在は道東に、すべて合わせてディズニーランド19個分の広さを誇るシマフクロウ保護区を所有していて、そこには20羽が暮らしています。(つがいである程度の広さの縄張りを作って暮らすので、どうしても土地の広さが必要になってきますね…!)
シマフクロウに限らずいろんな野鳥の保護活動をしています。
https://www.wbsj.org/nature/kisyou/kb/

《NPO法人シマフクロウ・エイド》は名前の通りシマフクロウの保護に徹しています。巣箱をかけたり、給餌用の生け簀の管理もしています。日頃のシマフクロウの行動や活動範囲などもリサーチを続けて保護活動に役立てているそうです。また、環境が豊かな土地を探しては、将来若鶏たちが住み着けるように環境を整備し守る活動も行なっているとか!
https://fishowlaid.jp

嬉しい事に日本には他にもシマフクロウの保護活動をする団体があります!
こういう団体が協力し合えばより効率の良い保護活動につながると私たちは信じています。
SAMSARAとして今後の保護活動へのどのように貢献できるのか日々考えて、それを物作りやイベント企画に反映していけたらなと思います!